「発達支援なのに、ゲームをするの?」
「ただ遊んでいるだけに見えるけれど、どんな効果?」
初めて来られた保護者様から、そんなお声をいただくことがあります。
もちろん、私たちはただ時間を潰すためにゲームをしているわけではありません。
実は、私たちIlluminationが取り入れている「ゲーミフィケーション」は、お子様の「脳」と「心」を育てるための、とても科学的なアプローチなのです。
なぜ、厳しい訓練ではなく「遊び」を選ぶのか? その理由を、少しだけ覗いてみてください。
1. 「あ、僕がやったんだ!」という自信(心のスイッチ)
身体が動かしにくいお子様にとって、「自分の力で何かを動かす」という体験は、私たちが想像する以上に大きな意味を持ちます。
私たちが使うゲームは、スイッチを少し押すだけ、手を動かすだけで、「すぐに」画面がキラキラ光ったり、楽しい音が鳴ったりします。
- 自分が動くと、
- すぐに世界が変わる(音が鳴る・光る)
この「つながり」を感じた瞬間、子どもたちの脳内では「あ、これは僕がやったんだ!」という強烈な喜びが生まれます。
これを専門用語で「社会的随伴性(しゃかいてきずいはんせい)」と言います。 この「できた!」という実感が、お子様のやる気スイッチ(脳の報酬系)をオンにし、「もっとやってみたい!」「次はこうしてみよう」という意欲を引き出すのです。
2. 楽しみながら「身体のバランス」を整える
麻痺(まひ)などがある場合、動かしやすい方の手ばかり使ってしまい、麻痺のある側の脳がうまく活動しにくくなることがあります。
そこで私たちは、リズムに合わせて両手を使うゲームなどを活用します。
■ 「夢中」が一番のリハビリ
お子様が「楽しい!」「クリアしたい!」と夢中になっている時、脳はスポンジのようにたくさんのことを吸収します。 スタッフは横で、麻痺のある手がうまく参加できるようにサポートしたり、両手を使うタイミングを調整したりします。
「やらされる訓練」ではなく、自分から夢中になる「遊び」だからこそ、脳の神経ネットワークは驚くほどのスピードで変化(可塑性)していくのです。
3. 「次はこうなる!」と予測する力
ゲームをしている時、お子様の頭の中ではすごいことが起きています。
- 「あ、次はこのタイミングで音が来るぞ」
- 「さっきは早すぎたから、次はゆっくり動こう」
このように「未来を予測して、身体を準備する」練習を自然と繰り返しています。これを「内部モデルの構築」と呼びます。
実はこれ、生活の中でもすごく大切な力なんです。 例えば、スプーンを口に運ぶ時も、服の袖に腕を通す時も、脳は無意識に「予測」をして身体を動かしています。ゲームで培ったこの感覚は、日々の生活動作をスムーズにする基盤になります。
4. 「できた!」をみんなで喜び合う
Illuminationのゲームは、画面の中だけでは終わりません。
■ 「すごい!」のシャワー
成功した瞬間、スタッフやお友達が「やったー!」「すごいね!」と全力で一緒に喜びます。機械の反応だけでなく、「人からの拍手」があることで、お子様の自己肯定感はぐんと高まります。
■ 作戦会議でつながる
もし失敗しても大丈夫。「なんで失敗したのかな?」「次はこうしてみよう!」と、みんなで作戦会議をします。お友達がプレイする姿を見て「あ、ああやればいいんだ!」と学ぶこと(観察学習)も、脳にとって素晴らしい刺激になります。
最後に:ゲームの先にある未来へ
私たちが目指しているのは、ゲームが上手くなることではありません。
「楽しい!」という気持ちをエネルギーにして、「自分の身体をイメージ通りに動かす力」や「人と関わる力」を育てること。 そして、それがお家での食事や着替え、コミュニケーションといった「生活」につながっていくことです。
遊びに見えるその時間は、実はお子様の未来をつくるための「真剣な科学の時間」です。
Illuminationでは、お子様一人ひとりに合わせて、課題や目標、設定をオーダーメイドで調整しています。
子ども達が楽しみながら成長する支援をこれからも提供していきます。


