子ども達の「できないこと」ではなく「できること」を育てる。私たちの個別支援計画のつくり方


子どもリハビリセンターIlluminationは、重症心身障がいのあるお子さまや、医療的ケアを必要とするお子さまのための事業所です(児童発達支援・放課後等デイサービス)。

麻痺の改善や歩行のリハビリ、人工呼吸器を使用しているお子さまへの支援など、小児リハビリと医療的ケアの専門性を大切にしています。

そして、私たちにはもうひとつ大切にしていることがあります。それは、お子さま一人ひとりに合わせた「個別支援計画書」のつくり方です。今日は、その裏側を保護者のみなさまにお伝えします。

個別支援計画書は、お子さまだけのオーダーメイド

個別支援計画書とは、お子さま一人ひとりの目標と、その達成までの道のりを描いた計画書です。

この計画書は、5つの領域をもとにつくられます。

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

私たちが大切にしているこの5領域の考え方は、ホームページにも詳しく記載しています。あわせてご覧ください。

ひとつの視点では、見えないものがある

お子さまの成長を支える計画書を、担当者一人の視点だけでつくることに、私たちは少し立ち止まりました。

経験豊富な担当者であれば、それでも十分かもしれません。でも、お子さま一人ひとりの身体の状態、活動の様子、お友だちとの関わり、そしてその子を取り巻く環境まで。本当に理解するには、ひとつの視点だけでは足りないと考えています。

そこでIlluminationでは、児童発達支援管理責任者を中心に、多職種が集まる会議を行っています。

1. それぞれの専門職の目で、お子さまを見つめる

理学療法士・作業療法士などのリハビリ専門職、看護師、保育士、児童指導員。それぞれの専門職が、自分の視点でお子さまの変化を評価し、共有します。そして、それを児童発達支援管理責任者がまとめていきます。

リハビリ職が見ている身体の変化、看護師が見ている呼吸の状態、児童指導員が見ている遊びの中での表情。同じお子さまでも、見る角度が違えば、気づくことも違います。

その「違う気づき」をひとつにまとめるのが、私たちの会議です。これによって、身体機能の変化、医療的ケア中の状態、日常の活動性や社会性まで、多角的に理解したうえで計画書をつくることができます。

2. ICFで「できること」に目を向ける

この会議には、もうひとつ大きな特徴があります。それは「ICF」という考え方をもとに会議を行っていることです。

ICFとは「国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health)」のことです。

ICFで大切なのは、お子さまの「できないこと」だけに注目しない、ということです。

支援の現場では、どうしても「〇〇ができない」「〇〇が難しい」という見方になりがちです。でも、ICFを活用すると視点が変わります。

「この子は何ができるか」「何ができるようになったか」に目を向ける。そして、お子さま本人の要因だけでなく、その子を取り巻く環境、とくに「活動」や「参加」にも目を向けていく。

「できないこと」から「できること」へ。本人だけでなく、環境もまるごと支える。この視点の転換こそが、ICFの考え方の中心にあるものです。

運動会への参加も、この考え方から生まれました

以前の記事でもお伝えしましたが、医療的ケアを必要とするお子さまが運動会に参加できた事例があります。

これも「この子は運動会に参加できる」「参加するために、環境をどう整えればいいか」を考えたからこそ、実現したことでした。

もし「できないこと」にばかり目を向けていたら、運動会への参加という選択肢は、生まれなかったかもしれません。

大変そう……? いいえ、私たちが大切にしている時間です

ここまで読んで「なんだか大変そう」と感じた方もいるかもしれません。でも、私たちにとっては、お子さまの成長を支えるために欠かせない時間です。

お子さまのできることを育てる。環境ごと巻き込んで支える。スタッフそれぞれの専門的な視点で、お子さまの成長を語り合う。

多職種で会議を行い、ICFで整理しながら個別支援計画書をつくる。この方法を選んでいるのは、ひとつの視点だけでは見えないお子さまの可能性を、できるだけ多く見つけたいと考えているからです。

お子さまの「できること」を、一緒に見つけて育てていく。私たちはこれからも、その姿勢を大切にしていきます。

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